正善寺日記

正善寺の由緒、仏像、お参り風景等を公開していきます

生麦大豆二升五合

こんにちは、正善寺管理人です

 昨夜から久しぶりに雨が降り、寺の周りの草木も喜んでいるような気がします

 さて、真言宗の念仏に、「南無大師遍照金剛」というのがありますが、これは、弘法大師に帰依するということで、生きる上で弘法大師を心のより所にするという意味が込められているといいます。

 ちなみに、皆さんは、「生麦大豆二升五合」という言葉を聞いたことがありますか。昔はこのおまじないのような言葉が、庶民の間では普通に唱えられていたというのです。

 この言葉の由来は、旅のお坊さんが、当時字も読めないお婆さんに『南無大師遍照金剛という言葉は非常にありがたい言葉なので信じて唱えなさい』と言ったそうです。

 するとお婆さんは聞き間違えて『生麦大豆二升五合』と思い、毎日熱心に唱えたそうです。そのうち、人の病を治すぐらいの神通力を身につけました。

 あるとき、また訪れたお坊さんは、『南無大師遍照金剛』が本当の念仏だと教えたところ、お婆さんは『南無大師遍照金剛』と唱えても、それ以降、神通力が亡くなってしまったということです。

 つまり、信仰心が篤いとどのようなものでも、尊く思えるということなのでしょう。少し違うかもしれませんが『鰯の頭も信心から』ということでしょうか